コラム

6月12日に京都市議会事務局へ陳情書の提出しました。

6月12日に京都市議会事務局へ陳情書の提出しました。
PDF:元植柳小学校跡地活用事業に関する陳情書
資料:宇都宮駅東口の高級ホテル、コロナ禍で開業未定に(2020年6月1日 日本経済新聞)


元植柳小学校跡地活用事業に関する陳情書

京都市会議長  山本 恵一 様

2020年6月12日

陳情趣旨及び理由
元植柳小学校跡地活用事業にタイの高級ホテルデュシタニを建設すると提案し選定されたのは、代表者安田不動産㈱並びに構成員2社、㈱Colours Internationalおよび㈱Dusit-Colours(現在社名が変更されD&J㈱)(タイのDushit Thani社と㈱Colours Internationalの合弁会社)です。

㈱Colours InternationalおよびD&J㈱は、2022年完成の予定の宇都宮駅東口整備事業において、うつのみやシンフォニー(代表者野村不動産㈱)が開発するコンベンション施設、病院、2つのホテルなどが入る開発事業者グループの一
員となっています。

日本経済新聞インターネット版2020年6月1日(参考資料2)に、宇都宮駅東口地区整備事業について下記の記事が掲載されました。
「開業時期が見通せなくなったのは複合施設のうちの1棟だ。タイのホテル大手デュシット・インターナショナルの5つ星ブランド「デュシタニ」が進出を予定していたが、19年の段階で資金調達が難航。」

COVID-19蔓延以前の2019年にすでに㈱Colours InternationalおよびD&J㈱には資金難が発生していたものと思われます。

令和2年5月29日付宇都宮市総合政策部長名で宇都宮市議あてに出状された「宇都宮駅東口地区整備事業に於ける複合施設棟⓶の整備遅延について」(参考資料3)によると下記のとおりです。
㈱カラーズインターナショナルは、令和元年8月に特定目的会社である「デュシタニ宇都宮」を設立したが、うつのみやシンフォニー内で定められてホテルの整備資金の具体的な裏付けを提示できなかった。
こうしたことから、宇都宮シンフォニーでは、他の整備事業構成者等によるホテル事業の可能性を探るため、㈱カラーズインターナショナルやD&J㈱に加え資金力のある整備事業者及び、…(中略)……ホテル事業展開について検討を依頼した。
(中略)新型コロナウイルス蔓延により、インバウンドを含めた宿泊需要が見通せない事や、新規ホテル事業に対する資金調達が難しくなっていることから、早期に事業計画を作成することが難しい状況となり、複合施設②の整備が遅れることとなった。

宇都宮市は、㈱Colours International およびD &J㈱の資金問題の発生を2019年から知っており、2020 年5 月末に複合施設②の完成が遅れると発表しました。

2020年6月8日の京都市議会総務消防委員会に於いて、山田耕司議員の質問に対し、京都市学校跡地活用推進室は、宇都宮駅東口地区整備事業での問題について、宇都宮駅東地区開発事業全体の面積(26,000㎡)と元植柳小学校跡地(5000㎡)を比較し、元植柳小学校跡地活用事業の規模が1/5と小さいから問題ないと述べています。

上記の日本経済新聞インターネット版によると、問題となっているのは、宇都宮駅東口地区開発事業全体ではなく、そのうち複合施設棟⓶(地上27階、高さ120m、延べ床面積約38,000㎡)のみの開業遅延です。さらに資金難は㈱Colours InternationalおよびD&J㈱のみの問題です。デュシタニホテルは複合施設棟⓶のうち6階から27階まで(施設棟の約80%)を使用する予定です。デュシタニホテルが入居する予定の複合施設棟⓶の下部にある商業施設を運営する予定の北関東綜合警備保障㈱について、その資金・経営についての言及はありません。

6月8日の市議会総務消防委員会に於いて、さらに京都市は宇都宮駅東口地区開発事業全体の資金難が問題との発言がありました。しかし5月29日付宇都宮市総合政策部長名で宇都宮市議あての文書によると、

㈱カラーズインターナショナルは、令和元年8月に特定目的会社である「デュシタニ宇都宮」を設立したが、うつのみやシンフォニー内で定められてホテルの整備資金の具体的な裏付けを提示できなかった。こうしたことから、宇都宮シンフォニー(事業主体)では、他の整備事業構成者等によるホテル事業の可能性を探るため、㈱カラーズインターナショナルやD&J㈱に加え資金力のある整備事業者などによるホテル事業展開について検討を依頼しております。

とあります。日本経済新聞インターネット版にも宇都宮駅東口整備事業に係るほかの会社やプロジェクト全体の資金難について全く記述がありません。

6月8日の市議会総務消防委員会の答弁で、京都市学校跡地活用推進室は跡地活用事業の代表者である安田不動産㈱に、事業の構成員の他の2社の経営状態を尋ね、問題ないとの回答を得ておられます。なぜ問題のある当事者2社に直接お尋ねになっていないのか不思議です。宇都宮駅東口整備事業で資金難に陥っている企業の内情を、宇都宮駅東口地区整備事業の内容を直接知る術のない安田不動産㈱に訊ね、その回答を基に㈱Colours InternationalおよびDJ㈱の2社に資金問題はないとの結論を得る京都市の学校跡地活用推進室に不安・不信を覚えます。

京都市が元植柳校跡地開発事業で約1年前に結論を出された提案の選考審査項目及び審査基準には「申し込み事業者が企画提案事業を遂行するにふさわしい体制を有しているか」があります。この審査の際も、安田不動産㈱のみに、㈱Colours InternationalおよびD&J㈱の2社の事業内容をお尋ねになって審査されたのかと大きな不安・不信を覚えます。

陳情項目
元植柳小学校跡地活用事業の構成員である㈱Colours InternationalおよびD&J㈱の2社は、元植柳小学校跡地活用事業と同時並行的に進む宇都宮駅東口地区整備事業で資金調達に困難をきたしていることが判りました。

㈱Colours InternationalおよびD&J㈱の2社は、元植柳小学校跡地活用事業において業務遂行するにふさわしい体制を有する会社ではないと考えます。京都市は、事業の遂行を中断し「申し込み事業者が企画提案事業を遂行するにふさわしい体制を有しているか」を再検討する必要があります。

京都市は、㈱Colours InternationalおよびD&J㈱の2社が元植柳小学校跡地活用事業の構成員として業務遂行するにふさわしいと考えるのであれば、宇都宮駅東口地区整備事業では資金調達が困難であったが、元植柳小学校跡地活用事業では資金調達が可能になったとする根拠を開示して頂きたい。